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阪急、京阪…開業100年「私鉄王国」復活へ(読売新聞)

 関西の私鉄が今春、相次いで開業100年を迎える。

 ターミナルに百貨店をつくり、沿線の住宅地なども開発して「私鉄王国」と言われた関西だが、近年は少子高齢化や景気低迷で利用者の減少に悩む。私鉄各社はかつての栄光を取り戻すため、新たな沿線開発や知名度向上を集客につなげようと躍起になっている。

 阪急電鉄の前身、箕面有馬電気軌道は1910年(明治43年)3月10日に開業。創業者の小林一三氏は「京阪神は鉄道省にやってもらわなくてもいい。大きなお世話だ」と考えた。住宅地を開発したほか、宝塚歌劇を創設、梅田駅に日本初のターミナル百貨店をつくるなど現在の私鉄経営のモデルを築いた。

 関西は私鉄発祥の地だ。大阪・難波と堺を蒸気機関車で結んだ阪堺鉄道(現在の南海電気鉄道)が、日本初の純民間資本の鉄道だった。1910年春には、現阪急に続き、兵庫電気軌道(山陽電気鉄道)、嵐山電車軌道(嵐電)、京阪電気鉄道が相次いで開業した。

 武知京三・近畿大名誉教授(日本経済史)は「首都圏の鉄道整備は国が主導したが、起業家精神が旺盛な関西は私鉄が競い合って鉄道網を整備し、まちづくりも担った」と指摘する。

 戦後も、日本初の自動改札機を阪急が67年に導入。全車両の冷房化や2階建て特急など、サービス面でも関西の私鉄が全国をリードしてきた。

 ところが、近年は少子高齢化や企業の首都圏への流出などで利用者が減る一方だ。関西の私鉄大手5社の利用者数は91年度の26億人がピークで、2008年度は19億1000万人に。全国の大手16社では08年度に95億4000万人と、4年連続で増加しているが、関西は下げ止まらない。

 関西の私鉄は利用増に懸命だ。阪急は100周年を機に、最大のターミナルである梅田周辺の再開発に懸ける。12年春の全面開業を目指し、阪急百貨店梅田本店やオフィスの入るビルを建て替え中で「梅田の魅力を高め、人や企業を集めたい」という。10日には1日乗り放題の記念乗車券(1000円)を発売した。

 京阪は中之島線を活用し、地道に鉄道利用を増やす考えだ。沿線にマンションやオフィスビルの開発計画もあり「中之島が活性化すれば新線効果が出る」(幹部)と期待する。

 13日には子供用の1日乗り放題券を100円で売り出し、7月からは駅に止めた車両に模型などを展示する「ミュージアムトレイン」も開設。京阪は「沿線の人に育ててもらったからこそ、今の鉄道がある。今後の100年もかわいがってもらえるよう知恵を絞りたい」(広報宣伝担当)という。(経済部 山本照明)

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